に間違いがなければ、もともとは株式市場の格言であったと思う。 それはともかく、為替市場においても、たびたび格言を彷彿とさせるような値動きを辿ることの少なくないことは周知のとおり。1日でドルが3円以上も下落した、先週27日の展開などはまさに、その典型であるように思う。 今週も引き続きドルの下値は要注意だろう。 FX(ひのえうま) 2007-03-02 3月が円高なら4月は円安 春の為替は荒れ相場 今週から3月に入った。「1年で最も動く」3月と、「3番目に動く」4月。その両月が、逆方向に動きやすいというのだから、3〜4月、為替の「春相場」のキーワードは「荒れる予感」ということになるだろう。 2000年以降のドル円の平均値幅を調べてみると、3月は6.76円。2位の12月5.65円を大きく引き離した段トツ、「1年で最も動く月」ということFXになる。 そして、その3月に続く4月の平均値幅は5.43円で第3位。つまり、3〜4月は、「1年で最も動く月」から、「3番目に動く月」へ続くということになるわけだから、普通に考えれば春相場には大相場の期待ありということになるだろう。 ところで、この春相場、「大相場」というよりは「荒れ相場」ということの方が近いかもしれない。なぜなら、3〜4月は逆方向に動きやすいという特徴もあるからだ。 ちなみに過去10年間で、3〜4月が同じ方向に動いたのは2回しかない。つまり、3月が円高なら4月は円安といった具合に、3〜4月は過去10年間で8回が逆方向の動きになっていたのである。 このような特徴は7〜8月の「夏相場」にも確認できる。ただし、「夏相場」のそれは、7月がドル高になりやすい(過去10年間で9回がドル高)、逆に8外国為替月はドル安になりやすい(同8回がドル安)といった特徴にFXよる必然的な結果といえそうだ。 これに対して、「春相場」の場合は、3月、4月とも過去10年間でドル高、ドル安が5対5と拮抗していた。つまり3月、4月それぞれにドル高になりやすいとか、ドル安になりやすいといった特徴は確認されない。むしろ3月の結果と4月は逆に動く、つまり「春相場」で基調が転換しやすいといった点は重要だろう。 この背景には、日本の決算期末の影響があるということは想像しやすい。日本企業の多くが3月末決算、そして4月から新年度入りとしているが、それが為替の方向性を逆にすることに何らかの形で影響している可能性がありそうだ。 さて、問題はそんな「春の嵐」といった予感のある3〜4月相場は、今年の場合どんな展開を辿るかだが、円安の基調転換にも注目したい。=蒼い稲妻= キャリートレードの巻き返し ドル買いに勝機あり キャリートレードの巻き返しが噂され、NY株式の大幅下落も重なり、ドル円は1日で3円以上も急落。ここ数年見られなかったほどのドルの下落幅である。 ドル円の下落を加速させた要因は他にも多々続出した。 27日発表の1月米耐久財受注の中で、非国防資本財受注が過去最大の減少率を記録。また、アフガニスタンで27日、チェイニー米副大統領が前日に宿泊した米軍基地付近で自爆攻撃が発生するなど、地政学的不安要因が高まった事などが、ドル弱気の材料が集中した。 その前に中国株の急落もNYダウ急落の引き金となったことも、大きな要因である。 さて、ドル円相場どうなるのか。単に一過性のものか、トレンドを変えてしまったのか。 こういった材料が集中した場合、一過性で終わる傾向が少なくない。従って、ストップロスを決めて、ドル買いの勝負も面白い。 相場は乱高下傾向。上昇と下落は値幅を伴う激しいものとなる。3円の下落を記録した27日。28日は1円以上ドルが上昇してもおかしくない。 ドル買いに勝機あり。 日銀と市場・政府の亀裂 金利は低位安定と油断するな 日銀は、先週の政策決定会合において8対1で利上げを決定した。前回、短期市場は利上げを7割程度の確率まで織り込んできたが、今回は5割程度。総裁が賛成、副総裁が反対というのも異例である。 前回、福井日銀総裁は「すべての委員が今後、見通しの通りに経済・物価情勢が推移するであろう、その可能性が高いという点では完全に一致していると言っても良い。(しかし)、判断を補強していく時間的余裕があるという方と、時間はもうかける必要もない方との、ごくわずかな判断の差。判断の方向性について全く違う方向を向いているということでは全くない」と強調。 しかし、今回の利上げは非常に強かった10―12月期のGDPを受けたものとすれば、金融政策は本来に地銀が目指したフォワード・ルッキング(将来を予測したもの)ではなく、バックワード・ルッキング(経済の結果に基づく遅れた金融政策)であるとしか言いようがあるまい。 現実のファンダメンタルズは、ここへ来て足踏みしているので「日銀は当面利上げしない」という安心感が出ている。バックワード・ルッキングであれば、今後の経済指標が強くなるまで利上げの正当性は無いから、その見方でも良かろう。しかし、今までの日銀の論理は実は違ったところにあった。 日本銀行は、今回は妙な形になってしまったが、従来から「金利の正常化」を利上げ実施の理由としてきた。より具体的には、設備投資の過熱による将来の資本ストック調整リスク(すなわち、超低金利による資本コストの低下が、本来「正常な経済状況」の下では採算性の低い設備投資までも可能にするリスク)やGDPギャップの大幅プラス超に伴う将来のインフレリスクの回避であった。 このロジックに戻ると、経済・物価情勢の「確たる見通し」があれば、その判断に基づき「利上げを実施するべき」という予見論に戻る、いや戻るべきであると考えている。実際たった1カ月の譲歩で利上げを勝ち取ることが出来たのだ。福井総裁の日銀は予見論に基づく「金利の正常化」に回帰したいのだ。一方で市場と政府は「よほど強い指標が出ない限り日銀は当面利上げをせず、金利は低位安定する」と油断している。政府・市場と日銀の亀裂は、深まるばかりだ。(石上) 日米金利差は縮まらない 再びドル高・円安傾向 再び政治的な圧力に屈するのかどうかで、大いに注目された日銀の金融政策決定会合は結局0.25%の利上げ実施で決着を見た。 直前のNHK報道などを含めて情報が錯綜したこともあり、会合結果の発表される21日の金融市場が大荒れの展開となったことはまだ記憶に新しい。 しかし、終了後の記者会見で福井総裁は「今後も緩和的な金融環境を維持していく」―とハト派的な発言をするなど早いタイミングでの追加利上げには否定的な見方が有力視されている。 その一方、先週発表された米消費者物価指数は予想を上回る好数字となり、米早期利下げ観測はさらに後退した。ちなみに、米FF先物による金利変更織り込み率は本稿執筆時、今年の9月までと考えてもわずか20%台とかなり低い確率に留まっている。 日米金利差が一段と縮小することはしばらくないとの見方、現状の大きな金利差が継続するとの観測がいましばらく金融市場では大勢を占めることになるだろう。 今年1月につけたドル高値122.20円と2月初旬の122.10円で、当面の「ダブルトップ」をつけたと見る市場筋は少なくなかったが、ドルは日銀会合後強含みに推移。再び122円台をうかがう様相を見せている。 前回レポートしたように、2月は経験則的に見てもドル安・円高方向で終わることが少なくない。 そのために2月一杯まではなんとかドル高の進行が抑えられたとしても、マーケットは早くも今週後半から3月の声を聞くことになる。以降については、その限りではなく、再びドル高・円安が進行する可能性を否定できない。 (ひのえうま) 円の価値は市場によって決められる 人民元に欧州は不満 2月9〜10日にドイツで開かれたG7(7カ国財務相会議)では、事前に一部で注目された共同声明で円安を懸念するようなことはなかった。しかし、まったく何もなかったということでもなさそうだ。じつは欧州は、中国人民元安懸念で、新たな共同声明言及には成功したようだ。 中国人民元についての共同声明における言及は、昨年9月シンガポールG7の、「中国の為替レートの一層の柔軟性が望ましい」といった表現から、「中国の実効為替レートが、変動することが望ましい」といった表現に変更された。 具体的な変更点は、「実効レート」とした部分だ。この背景として、欧州の不満が浮かび上がってくる。 人民元は、最近は対米ドルではじり高傾向が続いていた。しかし、約1年前に、米ドルとの連動性から複数の通貨と連動する通貨バスケット制度に移行したものの、実質的には米ドルとの連動が続いていた。この結果、昨年暮れにかけてのドル安・ユーロ高局面では、人民元安・ユーロ高となり、むしろユーロに対しては下落していたのである。 このように見ると、昨年9月の共同声明における「中国の為替レート」といった表現から、今回「中国の実効為替レート」といった具合に、通貨の総合力を示す「実効レート」に表現を修正したのは、人民元安・ユーロ高の動きに不満を抱いていた欧州の可能性が高いだろう。 今回、欧州は事前に円安不満を相次ぎ表明、共同声明に円安懸念を盛り込むかが一部で注目されていた。結果的に円安懸念は盛り込まれなかったものの、「実効レート」といった表現で、人民元安・ユーロ高懸念の盛り込みには成功したということかもしれない。 一方の円安については、とくに共同声明で懸念を特定されなかったことから、一時この間の円最安値122.20円に迫る場面もあったものの、それで一段落となった。 そもそも、G7が「容認」したからといって、円安がさらに進むということでもないだろう。最近、ポールソン財務長官など、米政府関係者の決り文句にもなっているように、円の価値は、基本的には市場によって決められているということだ。=蒼い稲妻= 日米自動車貿易摩擦 根強い再燃への警戒感 今月16日、複数の米メディアが「自動車大手ダイムラー・クライスラーが業績不振に陥った北米部門クライスラー・グループの売却を検討」―などと報じ、マーケットの思惑を呼んだ。 そうしたなか、対照的に好調さの目立つ日本車メーカーに対して米国から圧力が強まる、などといった見方は依然として根強いものがある。 ご存知の方も多いと思うが、いわゆる「日米自動車貿易摩擦」が一応の解決を見たのはいまから12年前、95年のことだった。独ダイムラー・ベンツと米クライスラーが合併をしたのは、その3年後98年のことで、日米自動車摩擦の軽減・消滅というある種の影響を受けてのものであった。 しかしクライスラーの身売り